国土交通省における電子政府の取組
 〜行政手続きのオンラインの推進〜

 

国土交通省
総合政策局情報管理部
情報企画課行政情報システム室

宇隨 幸雄 氏

 

○平成146月、IT戦略本部は政府が迅速にかつ重点的に実施すべき施策(行政の情報化及び公共分野における情報通信技術の活用の推進)の全容を明らかにする「e-Japan重点計画”2002」を策定した。行政の情報化とは、行政情報の電子的提供、申請・届出等手続の電子化、文書の電子化、ペーパーレス化及び情報ネットワークを通じた情報共有・活用に向けた業務改革を重点的に推進し、2003年度までに電子情報を紙情報と同等に扱う行政を実現することである。

○国土交通省の主要なIT関連施策としては、世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成(道路・河川・港湾等の公共施設管理用光ファイバ収容空間等の整備及び開放、集合住宅における高速・超高速インターネットアクセス)、行政の情報及び公共分野における情報通信技術の活用の推進(申請・届出等手続の電子化推進による電子政府の実現、輸出入・港湾諸手続、自動車保有関係手続のワンストップ化の推進、公共事業支援統合情報システムCALS/EC構築による政府調達の電子化、防災、公共交通分野の情報化、ITSGISの推進等)、高度情報通信ネットワークの安全性及び信頼性の確保(情報セキュリティ・ポリシーの実効性の確保、政府の情報セキュリティ確保、重要インフラのサイバーテロ対策)が重点計画とされている。

○電子政府実現に向け国土交通省は、20027月、国土交通省における行政手続等の電子化推進アクション・プラン、同省の所管事項に関する自治事務等に係る行政手続等の電子化推進に関するアクション・プランを策定した。

○国土交通省における行政情報化の推進に関する取組方針としては、国民、企業と行政との間の情報化(行政情報の電子的提供、行政手続等のオンライン化、ワンストップサービスの推進、政府調達の電子化、歳入・歳出の電子化、地方公共団体の取組支援)、行政事務・事業の情報化(ペーパーレス化・電子化、情報共有の推進、職員の情報リテラシーの向上と意識改革)などが挙げられている。

○行政手続のオンライン化における申請システムは、国土交通省に対する申請・届出等の共通的な受付窓口を提供するものであり、申請者はインターネットを通じてオンライン申請することができる。平成15年度中に申請可能となる手続例としては、建設業の許可、経営事項審査、建設機械取得の届出、測量業の新規登録、建築基準法に関する建築物の構造方法等の認定申請、建築基準適合判定資格者検定の受験、建築基準適合判定資格者の登録、建築士法の一級建築士に関する手続等が予定されている。

○平成15年度のオンライン申請関係度要求施策は、汎用受付システムの開発・管理強化(様式のXML化、納付管理・大量データ処理・地図添付・第三者証明検証等の機能強化、二重化によるシステム管理強化、セキュリティ対策)、各局個別業務システムとの連携(インターフェイス開発)、本省・地方局のネットワークの拡充(回線強化)、電子認証システムの管理強化等を包含している。