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2013年6月号 【ACe建設業界】
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[碑文]

信濃川補修工事竣工記念碑 碑文

 
   
 

 


萬象ニ天意ヲ覺ル者ハ幸ナリ
FELICAJ ESTAS TIUJ, KIUJ VIDAS LA VOLON DE DIO EN NATURO.
                           A.

信濃川補修工事誌
信濃川改修工事中同川ノ水量調節ノ爲
メ新信濃川ヲ開鑿シ其流頭大河津ノ地
ニ堰堤ヲ築キ總長約七ニ七米ノ内右岸
寄一八ニ米ヲ自在堰左岸寄五四五米ヲ
固定堰トセリ本自在堰ハ實ニ本邦唯一
ノ「ベヤトラップ」式堰堤タリシモノニシ
テ全長一八ニ米ヲ八個ノ徑間ニ分チ之
ニ各「ベヤトラップ」式鋼扉ヲ備ヘ大正十
一年八月新水路ニ通水シテ以来自在堰
ノ起伏運轉圓滑ニシテ能ク分水工事所
期ノ目的ヲ完フスルコトヲ得タリシカ
超エテ昭和二年六月二十四日突如トシ
テ自在堰「ピーヤ」傾斜陥没ノ厄ニ遭ヒテ
大河津ニ於ケル水量調節ヲ不能ニ陥ラ
シメタルカ故ニ直チニ自在堰應急工事
ニ着手シ更ニ同年十二月工費四百四拾
六萬圓ノ豫算ヲ以テ信濃川補修工事ヲ
起工シテ爾来星霜四年激流ニ抗シ寒暑
ト戦ヒ具サニ辛酸ヲ嘗メテ遂ニ其ノ竣
成ヲ見ルニ至レリ即チ新可動堰ハ型式
ヲ「ストーニー」式鋼扉ニ改メテ舊自在堰
上流一〇〇米ノ位置ニ之ヲ築キ前車ノ
覆轍ニ鑑ミテ基礎工事ニ萬全ヲ期シタ
ルノミナラス河底ノ洗掘ヲ防止センカ
タメニ舊自在堰基礎ヲ補強改造シテ第
一床固トシ更ニ新信濃川流末ノ岩盤ヲ
固メテ第二床固ヲ設ケタル外固定堰ニ
對シテ充分ノ修理及補足工事ヲ施スヲ
以テ本工事トシ別ニ大河津下流中之口
川ニ至ル信濃川本川八粁ノ區間ニ附帶
低水工事ヲ施行シテ水路ヲ改善シタル
モノトス
 昭和六年六月
    内務省新潟土木出張所




人類ノ爲メ國ノ爲メ
POR HOMARO KAJ PATRUJO.
                       A.

信濃川補修工事概要

可動堰 頂髙(参謀本部陸地測量部水準基面上)
 一二米二五、總長一八〇米、徑間數一〇、橋脚幅
 三米五、水路幅一四米五、基礎幅三五米、同上流
 締切鋼矢板長一二米、同下流締切鋼矢板長一一米
 、同混凝土厚二米五乃至二米九五、基礎杭長一三
 米乃至七米、ストーニー式鋼扉幅一六米、髙二米
 九、重量二三瓲、上流方塊張床固幅二〇米、下流
 混凝土水叩幅一〇米、方塊張同上平均五〇米、工
 費一、三八二、〇〇〇圓
固定堰  頂髙一二米二五、總長五二二米、總幅六
 九米、内修理部幅三〇米五、補足部同三八米五、
 堰體下流端鋼矢板長五米、水叩下流端同上一〇米
 、隔壁總長二六〇米、幅四米、鋼矢板長六米乃至
 一二米、頂髙一二米五〇、工費五八八、〇〇〇圓
第一床固 頂髙一〇米、總長一八九米、總幅一〇五
 米、内混凝土部幅五五米、捨石部幅五〇米、工費
 二七〇、〇〇〇圓
第二床固 頂髙五米、拱式混凝土堰堤、徑間一八〇
  米、拱矢二〇米、堰長一八五米、下流混凝土水叩
 幅八五米、バッフル、ピーヤ髙一米乃至二米、工
 費三七一、〇〇〇圓
床 留  總數四箇所、五千石床留頂髙六米九、總
 長一七六米、大河津床留頂髙六米三、總長一〇三
 米、新長床留頂髙六米、總長一七〇米、石港床留
 頂髙五米五、總長一二〇米、計工費一八六、〇〇
 〇圓

  主要工事關係者官氏名
内務技監 市瀬恭次郎            内務技手 小林一惠
同    中川吉造             同    内山正五郎
内務省新潟土木出張所長内務技師 青山士   同    生井丈夫
信濃川補修事務所主任内務技師 宮本武之輔  同    黒河内興八
内務技師 大塩政治郎            内務屬  鈴木源治
同    後藤憲一             内務技手 水野鉉三
内務技手 鈴木廣太郎            同    齋藤美岐雄
同    渡邊安三             同    髙橋重治
同    宮島未郎             同    深栖清
同    白倉昌男             同    阿部鐵藏






 
信濃川補修工事竣工記念碑 旧可動堰(平成24年9月16日撮影)
信濃川補修工事竣工記念碑 旧可動堰(平成24年9月16日撮影)


新可動堰(平成24年9月16日撮影)  
新可動堰(平成24年9月16日撮影)  








 
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