建設業の現状

2. 企業経営

大手建設会社の工事受注額の推移

大手建設会社(日建連法人会員企業)の受注額は、リーマンショックを契機とした急激な景気悪化の影響で、2008年度以降、大幅減となり、2010年度には9.3兆円とピーク時(1990年度26.7兆円)の約35%にまで減少した。
その後、東日本大震災の復旧・復興需要、民間建設投資の回復により増加に転じ、2014年度以降15~16兆円台で推移。2023年度は18.3兆円と大幅に増加した。

2024年6月更新

大手建設会社の受注シェアの推移

大手建設会社(日建連法人会員企業)の国内受注計のシェアは、2010年代初頭までは30%超であったが、2012年度からは20%台前半で推移している。
2020年度から3年間は21%台に低下したが、2023年度は24.4%と回復傾向にある。

2024年6月更新

海外工事受注の推移

海外工事受注は、2004年度以降、中東地域を中心として大幅に増加したが、その後の世界的な景気後退の影響により急減した。
2010年度以降はアジアを、2014年度以降は北米、欧州、大洋州等を中心に増加に転じて、2019年度には2兆円を超えたが、
2020年度には新型コロナウイルス感染症の影響で1.1兆円と急減した。2022年度は再び2兆円超と回復し、2023年度には2兆2907億円と最高額を更新した。

2024年6月更新

海外工事受注の内訳

日本の建設会社が海外工事を受注する場合、本邦法人(日本の本社)が受注するケースと現地法人(子会社)が受注するケースがある。
2011年度までは土木工事の多くは本邦法人が受注し、現地法人の受注は建築工事が中心であった。近年は、現地法人の受注が増加しており、本邦法人の
受注を大きく上回っている。

2024年6月更新

発注者別では、2010年度以降、民間工事の増加が顕著で、2019年度には1.3兆円を超えた。2020年度には新型コロナウイルス感染症の
影響により約0.8兆円と急減したが、2022、2023年度には回復し約1.3兆円を維持した。
公共工事は、2023年度に現地政府資金による発注が大きく寄与し9360億円となった。

2024年6月更新

売上高営業利益率の推移

建設業の営業利益率は、バブルの崩壊後の建設市場の長期停滞、競争激化等により2000年代は低い水準で推移し、さらにリーマンショック後の急激な景気悪化の影響を受け1%台が続いた。
近年は、建設市場の回復を背景に上昇して2016年度から5年間は4%台を維持してきたが、2021年度3.9%、2022年度4.0%と若干下降気味である。

2024年6月更新

PFI 事業の現状

PFI事業は、事業主体が国では庁舎・宿舎やインフラ施設が、地方公共団体では学校施設や公営住宅、廃棄物処理施設等のいわゆるハコモノが中心で、公共からの支払いのみを収入源とするサービス購入型の事業が多数を占めてきた。
近年は、事業者が利用料金収入を得る事業や、民間の創意工夫を活かした収益施設の併設・活用によって新たな収益を創出する事例が増えている。

2024年10月更新