建設業の現状

4. 建設労働

建設業就業者数の推移

建設業就業者数は、1997年(685万人)をピークとして減少が続いており、2022年はピーク時比69.9%の479万人。
そのうち、建設技能者はピーク時(1997年464万人)比65.7%の305万人である。

2023年4月更新

建設業就業者の高齢化の進行

建設業就業者は、2022年には55歳以上が約36%、29歳以下が約12%となり、全産業と比べ高齢化が著しく高くなっている。建設業の生産体制を将来にわたって維持していくためには、若年者の入職促進と定着による円滑な世代交代が不可欠である。

2023年4月更新

建設業入職・離職者数の推移

建設業の入職者数は2012年以降、離職者数を上回っていたが、2022年は入職者数の減少により再び離職者数を下回った。転職率も8年ぶりに10%を上回っている。

2023年11月更新

外国人材の受け入れ状況

建設分野で活躍する外国人の数は、近年増加傾向にあり2021年で11万人を超えている。在留資格別では技能実習生が64%の7.0万人を占めている。なお、2021年の減少は新型コロナウィルス感染症による入国制限が影響したものと考えられる。

2023年11月更新

労働賃金・公共工事設計労務単価の推移

建設業の男性労働者の賃金は、建設投資の増加を背景に2013年以降上昇していたが、2019年をピークに減少に転じた。

公共工事設計労務単価の2022年度の全国全職種平均値は、必要な法定福利費相当額や義務化分の有給休暇取得に要する費用のほか、時間外労働時間を短縮するために必要な費用を反映して11年連続の上昇となった。

2023年6月更新

労働時間の推移

わが国の労働時間は、この10年間減少傾向にある。建設業においても減少傾向にあるが、他産業と比較すると依然として労働時間が長く、2022年は調査産業計に比べて約270時間の長時間労働となっている。

2023年4月更新

年間出勤日数

建設業の年間出勤日数は、調査産業計に比べて29日、製造業に比べて14日多い。これは、建設現場において週休二日がまだ十分に定着していないことが原因と考えられる。

2023年4月更新

就業者中に占める女性の比率

全産業の就業者中に占める女性の比率は45%程度で、非製造業を中心に上昇傾向にある。建設業においても他産業に比べて低いものの上昇傾向にある。

2023年4月更新

大手建設会社の従業者数の推移

大手建設会社の従業者数は、2012年には10万人を割り込んだが、2014年以降は増加に転じ2022年は11.7万人となっている。

職種別にみると技術職従業者が大きく増加している。

2023年11月更新

女性従業者の比率は、2010年以降緩やかに上昇しており、近年は従業者全体に占める女性従業者の割合は14%となっている。

2023年11月更新

技能労働者不足率の推移

建設技能労働者の過不足率は2008年から2010年までマイナス(過剰)の状況が続くも、2011年以降建設投資の増加を背景にプラス(不足)に転じた。

2017年からは都心の再開発や東京オリンピック・パラリンピック関連施設の建設により大幅なプラスが続いたが、2020、21年には新型コロナウイルス感染症の影響等で僅かなプラスにとどまるも、2022年にはプラス1.6と3年前の水準に戻った。

2023年11月更新

労働災害発生状況の推移

建設生産は屋外作業、高所作業等を伴うため、労働災害が他産業に比べ多い。安全管理について建設業界は従来から最重要課題の一つとして積極的に取り組んでおり、近年は新たに労働安全衛生マネジメントシステムに基づく予防的・継続的活動を展開し、その成果をあげてきている。

2023年6月更新

建設キャリアアップシステムの登録状況

建設業界では、技能者一人ひとりの就業実績や資格を登録し、技術の公正な評価、工事の品質向上、現場作業の効率化などにつなげる業界横断のインフラである建設キャリアアップシステムを2019年から運用している。

2024年1月時点の登録数は、技能者は約136.2万人、事業者は約16.9万社となっている。また、技能者の就業履歴蓄積数(タッチ数)は月間約417.9万タッチとなっている。

2024年2月更新