建設業の現状

4. 建設労働

建設業就業者数の推移

建設業就業者数は、1997年(685万人)をピークとして減少が続いており、2023年はピーク時比70.5%の483万人。

そのうち、建設技能者はピーク時(1997年464万人)比66.2%の307万人である。

2024年5月更新

職種別就業者数

技術職は減少傾向が続いていたが、2013年を底に増加に転じ、最近は30万人台後半で推移している。その一方で技能職は長期的に減少を続けて2023年には307万人となった。

2024年5月更新

建設業就業者の高齢化の進行

建設業就業者は、2023年には55歳以上が約36%、29歳以下が約12%となり、全産業と比べ高齢化が著しく高くなっている。建設業の生産体制を将来にわたって維持していくためには、若年者の入職促進と定着による世代交代が不可欠である。

2024年5月更新

建設業入職・離職者数の推移

2000年代前半までは離職者数が入職者数を大幅に上回っていたが、2012年以降2021年までは逆に入職者が多くなった。しかし、2022年以降は再び離職者数が入職者数を上回っている。

2024年10月更新

就業者中に占める女性の比率

全産業の就業者中に占める女性の比率は非製造業を中心に上昇し、2023年には45.3%と2002年以降最高となった。建設業も他産業に比べて比率は低いものの、2023年には18.2%と過去最高値を記録した。

2024年5月更新

女性就業者数の推移

建設業の女性就業者数が2018年以降80万人台で推移し、2023年には88万人となった。大半が事務職であるが、技能職の増加が顕著である。

2024年5月更新

外国人材の受け入れ状況

建設分野で活躍する外国人の数は約14.4万人で、全産業の約7.1%を占める。在留資格別では技能実習生が約8.8万人と最多である。

特定技能外国人は水際措置の緩和や制度の周知に伴い、2023年には2.4万人と前年から倍増している。

2024年10月更新

労働賃金・公共工事設計労務単価の推移

建設業の男性労働者の賃金は、建設投資の増加を背景に2014年以降上昇した。その後、2019年をピーク一旦は減少に転じたものの再び上昇、2023年には大きく増加した。
公共工事設計労務単価の2023年度の全国全職種平均値は、必要な法定福利費相当額や義務化分の有給休暇取得に要する費用のほか、時間外労働時間を短縮するために必要な費用を反映して12年連続の上昇となった。

2024年6月更新

労働時間の推移

わが国の労働時間は減少傾向にあるが、新型コロナによる緊急事態宣言などで急減した2020年を底に若干増加している。一方、建設業は時間外労働の上限規制への対応を迫られていることから着実に減少しているが、他産業と比較すると依然として労働時間が長く、2023年は調査産業計に比べて年間約250時間多い長時間労働となっている。

2024年5月更新

年間出勤日数

建設業の年間出勤日数は、調査産業計に比べて30日、製造業に比べて14日多い。これは、建設現場において週休二日がまだ十分に定着していないことが原因と考えられる。

2024年5月更新

技能労働者過不足率の推移

建設技能労働者の過不足率は2008年から2010年までマイナス(過剰)の状況が続くも、2011年以降建設投資の増加を背景にプラス(不足)に転じた。

2017年からは都心の再開発や東京オリンピック・パラリンピック関連施設の建設により大幅なプラスが続いた。2020、21年には新型コロナウイルスの影響等で僅かなプラスにとどまるも、2022年からはプラス1.6と3年前の水準に戻った。

2024年10月更新

労働災害発生状況の推移

建設生産は屋外作業、高所作業等を伴うため、労働災害が他産業に比べ多い。安全管理について建設業界は従来から最重要課題の一つとして積極的に取り組んでおり、
近年は新たに労働安全衛生マネジメントシステムに基づく予防的・継続的活動を展開し、その成果をあげてきている。

2024年6月更新

建設キャリアアップシステムの登録状況

建設業界では、技能者一人ひとりの就業実績や資格を登録し、技術の公正な評価、工事の品質向上、現場作業の効率化などにつなげる業界横断のインフラである建設キャリアアップシステムを2019年から運用している。
2024年9月時点の登録数は、技能者は約152.5万人、事業者は約18.2万社となっている。また、技能者の就業履歴蓄積数(タッチ数)は月間約506.3万タッチとなっている。

2024年10月更新