2023年度の一般会計予算（歳出）は114.4兆円。このうち、公共事業費は6.1兆円、5.3％を占めている。

社会資本整備のための公共事業予算（当初予算）は、1999年度以降2012年度まで、景気対策がとられた09年度を除き減少が続いたが、2013年度には3年ぶりに5兆円を超えた。
14年度以降は約6兆円の当初予算額が維持されている。

地方自治体が実施する公共事業は国からの補助金の有無により、補助事業と単独事業に分類される。地方自治体の財政状況の悪化を背景に、単独事業（実績額）は減少が続いていたが、2014年度以降増加し計画額を上回っている。2023年度は国の計画（地方財政計画）ベースでも前年度を若干上回る水準となった。

建設国債の発行額は、2009年度及び2012年度は景気対策としての公共事業の追加を賄うために一時的に増加した。一方、社会保障関係費等の歳出増を賄うための赤字国債は高水準の発行が続き、2020年度には新型コロナウイルス対応に大型の補正予算が組まれたことで109.3兆円と大幅に増加し、2021、22年度もコロナ対応により60兆円を超える発行となった。

公共事業の執行に当たっては、従来から中小企業優先の措置がとられている。国等の契約率（目標）は2010年度から50％半ばで推移してきたが、2022年度は61.0％と昨年に続き高い目標となった。

総合評価落札方式の適用率は、2009年度以降ほぼ100％に近い状況にあったが、近年はやや減少傾向にある。2021年度は、タイプ別では施工能力評価型（Ⅱ型）が79.8％を占め、技術提案（施工計画）を求める技術提案評価型（Ⅰ型）14.4％、施工能力評価型（ S 型）5.8％となっている。