会長等コメント

2011.04.27

野村会長就任挨拶

(社) 日本建設業連合会
会 長  野村 哲也

野村でございます。
  ご挨拶の前に3月11日に発生しました東日本大震災により、被災された多くの皆様に謹んでお見舞いを申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興を祈念いたしたいと存じます。

  それでは、会長就任に当たり、一言ご挨拶を申し上げます。
 この度、理事の皆様のご推挙を賜り、日本建設業連合会の会長に選任いただきましたこと、身に余る光栄と同時に、大変な責任の重さ・大きさに身の引き締まる想いを 強く感じております。
 ご案内のとおり、日本建設業連合会(新日建連)は、日本土木工業協会、建築業協会、日本建設業団体連合会、これら3団体が「団体運営の更なる合理化」と「提言力・発信力の強化」という二つの共通した目的の下に合併をしたものであります。
 とりわけ、土工協、建築協あるいはBCSといった名称は、長年に亘る多大な功績に裏付けられたいわば「業界のブランド」と申し上げても過言ではないかと存じます。
 それだけに、そうした名前が無くなることに、私も含めて一抹の寂しさを感じておられる方々がたくさんいらっしゃるかと思いますが、しかし、これまでも繰り返し申し上げてきましたように、新日建連の活動は、旧3団体それぞれのこれまでの業績・活動の火を消すことは、決してありません。
 むしろ、中村土木本部長、山内建築本部長をはじめとする副会長、役員、委員長、並びに事務局の皆さんと一致協力して、会員の皆様のお役に立てること、このことを絶えず念頭において、「団体運営の合理化を図りつつ、土木・建築の活動が一段と輝きを増すように、そして、新日建連トータルとして、今まで以上に 提言力・発信力を高めていけるよう」、十分に意を用いてまいる所存でございますので、会員の皆様におかれましては、これまで以上のご理解・ご協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。

  さて、新日建連の初年度となります平成23年度の活動につきましては、後ほど ご報告する「事業計画」に記載されておりますが、活動の最重点課題として、「東日本大震災に係る震災対策の推進」、これをはじめとして、「公共投資、社会資本整備の推進」「地球温暖化等環境問題への対応」「建設技能者の確保・育成」など10のテーマを掲げ、新たに編成する24の委員会の下で、活動を展開してまいります。中でも国政レベルの課題におきましては、各委員会での検討を踏まえ、建設業界の立場・視点から積極的に提言を行ってまいりたいと考えております。
 この事業計画の実施に当たっては、とりわけ今回の大震災への対応に、総力を挙げて取組まなければならない、そう考えております。会員各社におかれましては、従業員並びにご家族の皆様が被災された会社も少なくない中、そして 震度4や5といった余震が続く中、被災地における救援活動、復旧活動等に、いち早く邁進されており、頭が下がる思いで一杯であります。
 また、先ごろお願いしました「義援金」につきましても、会員企業の皆様から多大なご協力をいただきました。高い席からではありますが、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
 新日建連といたしましても、去る3月14日、合併に先立ちまして、「緊急災害対策本部」を立ち上げ、東北支部を中心に、従来の土工協、建築協の震災対応体制を一本化した形で、幅広くかつ機動的に初動対応を図ることができた、かように考えております。
 さらに、同対策本部においては、震災発生後直ちに「災害対策に関する緊急要望」を国土交通大臣に提出し、早急なご対応をいただきました。また、4月15日には、復興を進める上での基本的な課題に関して、建設業界の考え方をとりまとめ、「提言」として発表したところであります。
 もとより、「国民生活の安全・安心の確保」、とりわけ、国民の生命を守ることが、建設産業の大きな役割の一つであります。まずもって 「命を守る」ことができなければ、次の目標は存在しない、そう申し上げても過言ではないかと存じます。
東日本大震災によって、多くの方々がご家族を亡くされ、また避難生活を余儀なくされるなど、今でも大変不自由な生活を強いられています。
  やはり、道が通れる、橋が渡れる、水が飲める、トイレが使える、住むところがある、お店が開いている、工場が動いている等々、そうした普通の生活を守り支えていくことが、我々の仕事のベースにある、このことを改めて認識しておくことが大切なのではないでしょうか。
 国難ともいえる、未曽有の被害に直面している今こそ、我々は総力を挙げて、技術・ノウハウの提供はもちろんのこと、「国民生活の安全・安心を確保するんだ、国民の生命・財産を守るんだ」、そうした強い使命感を持って、対応していかなければならないと思います。

新日建連では今後とも、被災地の復旧・復興への取組みの過程で生じる諸課題はもとより、建造物の減災・防災対策やリスク管理のあり方など、「安全・安心」の観点から幅広く的確な提言を行うとともに、社会のお役に立てるよう、我々の有する技術力、ノウハウ、組織力等を積極的に提供してまいりたいと考えております。

 そうした取組みの一環でもありますが、当面する避けがたい課題の一つとして、本年夏の「電力不足への対応」があるものと考えております。日建連といたしましても、大規模停電を回避するために、可能なあらゆる方策を講じることが、国民的責務であるとの認識に立ち、「日建連電力対策自主行動計画」を定め、その遂行を図ることといたしました。

 会員企業の皆様におかれましては、本計画を参考に、それぞれの会社の「電力対策自主行動計画」を策定し実施していただきたく、ご理解、ご協力をお願いする次第であります。

 以上のほかにも 対応すべき課題は多々あるかと存じますが、諸活動の実施に当たっては、会員の皆様と社会一般のご意見を真摯にお伺いすることはもちろん、常に内外に開かれた団体運営を心掛けてまいりたいと考えております。

また、事業活動の総点検、支部のあり方の検討、合理的な会費制度の整備、公益法人制度改革への対応等、いわば合併に当たって積み残した課題につきましても的確な対応を図り、より円滑かつ合理的な団体運営の確立に意を用いてまいる所存でございます。
 そして、このような団体運営、団体活動を通じて、会員の皆様のお役に立つことはもとより、広く産業界、さらに国民各層からも信頼と理解を得られる建設業団体を目指して、誠心誠意全力を傾注してまいる所存でございますので、会員企業の皆様におかれましては、なお一層のご指導とご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

 最後になりますが、本来であれば総会終了後に、ご来賓の皆様をお招きして、懇親パーティを開催するところでございますが、今般の東日本大震災の被災状況等に鑑み、パーティの開催を中止させていただくことといたしました。
  皆様方におかれましては、何とぞ ご理解を賜りますよう、重ねてお願いを申しあげましてご挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。