提言・要望

2015.01.07

平成二十七年度 公共事業予算の確保に関する要望

 平素より格別のご指導、ご鞭撻を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、緩やかな景気回復基調が続いてきたわが国経済は、消費税率引き上げに伴う需要の反動減を乗り越え、経済の好循環を力強いものとして持続的な成長を実現しデフレ脱却と経済再生を確実にすることが、切実に求められております。
 このような中、建設業界は、二年連続で十五ケ月予算となった公共事業の円滑な施工に全力で取り組んでおります。必要な賃金を支払えば当面必要な労働力は確保できており施工余力に不安はなく、また、土木が中心の公共事業が建築中心の民間工事を圧迫することはないと考えております。
 一方、公共事業は、生活や経済活動の基盤となる社会資本を整備するものでありますが、長年にわたる公共事業費の削減により、必要な社会資本整備は停滞し、また、社会資本整備を担う建設企業においては、将来を見据えて技能労働者や技術者を確保することが困難となっております。
 本年六月に施行された改正品確法は、法律の目的と理念に、公共工事の品質の確保に加え、新たに「担い手の育成、確保」を掲げました。さらに、本年六月決定の「国土強靭化基本計画」や、同七月公表の「国土のグランドデザイン二〇五〇」などは、社会資本整備の中長期的な方向を明らかにするものであります。
 これらを踏まえ、計画的に社会資本を整備し、また、その担い手を確保するため、安定的、継続的に公共事業費を確保すべきであると考えます。
以上の認識に立ち、平成二十七年度公共事業予算に関して次の点について要望するものであります。
特段のご理解とご高配をお願い申し上げます。

                       記

一、国土のグランドデザイン二〇五〇、国土強靭化基本計画、インフラ長寿命化基本計画になどに基づき、地方創生と人口減少の克服、防災・減災対策、インフラ老朽化対策、国際競争力の強化などに資する社会資本を、中長期的な観点から計画的に整備するため、必要となる公共事業費を安定的、継続的に確保すること。

二、東日本大震災からの復興加速、安全・安心の確保、経済基盤の強化などに必要な社会資本の着実な整備と、これを担う建設業が将来への見通しを持って健全に発展することを促進するため、平成二十七年度当初予算において公共事業費の増額を図ること。

以上




一般社団法人日本建設業連合会  会長 中村満義