2011.04.15
3月11日に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)により、今日、わが国はいわば国難ともいうべき事態に直面しており、全国民が一致団結して取り組むことが求められている。
私ども建設業界においては、去る4月1日、新たな業界団体として「(社)日本建設業連合会」が合併により発足したところであるが、それに先立つ3月14日に「新日建連緊急災害対策本部」を設置し、国、地方公共団体等との緊密な連携の下、災害救援、応急復旧等の支援活動に努めてきた。
大震災から1カ月以上が経過した現在においても、原子力発電所に関する状況は予断を許さず、また、震災被災地におけるがれき撤去や仮設住宅建設も緒に就いたばかりというところではあるが、今回の大震災により甚大な被害が広域的に生じていることを踏まえれば、速やかに被災地を中心とした「復興」への取り組みを本格的に開始するべきであり、日建連においても今後の「復興」に向けて、更に全力を傾注する所存である。
もとより、大震災からの「復興」は、単なる原形の復旧ではなく、被災地の新たな地域づくり、まちづくり、更には日本全体の新たな創造を目指す営みであることは言うまでもない。そして、そのためには、政府において、強力なリーダーシップの下、明確な指揮命令体制を確立し、わが国の知恵と力の総力を結集することにより、被災地の実情を十分掌握しつつ、早急に「復興」のための計画の策定及びその実施に向けて邁進することが必要不可欠であり、今後の復興を強力かつ計画的に推進するため、下記事項について提言する。
記
1.指揮命令体制の確立
「強力な指揮命令権」を有する機関を設置するなど、中央及び現地において、政府の明確な指揮命令体制を確立すること。
2.広域的な復興基本計画及びインフラ整備計画の策定
被災地を中心として、広域的な復興基本計画及びインフラ整備計画を早期に策定し、実施すること。
3.地域づくり・まちづくりの支援
新たな地域づくり・まちづくりを実施するため、あらゆる支援措置(税、財政、金融、規制等における特別措置)を講じること。
4.財源の確保
「復旧・復興」のため、大型補正予算を早期に策定するとともに、併せてその財源の確保方策を確立すること。
5.雇用の確保
被災地域はもとより、震災により職を失った方々に対する雇用の維持・確保に万全の措置を講じること。
6.電力・エネルギー需給対策の策定
原子力発電に関する冷静な議論を踏まえ、電力・エネルギー需給対策に関する中期的計画を策定するとともに、当面の対策を早急に確立すること。
7.「産・官・学」一体となった復旧・復興への取り組み
「復旧・復興」事業の計画策定・実施に当たっては、「産・官・学」一体となった取り組みが不可欠であり、日建連会員企業としてもその有する技術力、ノウハウ、組織力を積極的に提供してまいりたい。