企画① セッション

【課題・事例①】建設業界の課題・事例

株式会社大林組 工事事務所長

蔦川 浩二郎 氏

蔦川 浩二郎
蔦川さんご自身が所長として建築現場を運営する際に心がけている「木組みと人組み」というキーワードとその由来についてのお話がありました。また、スケジュール感やコミュニケーションを重んじるといった現場での職員の指導方針や組織づくり、コロナ禍での海外企業との交流やアスリートへのメッセージなどの「プラスアルファ」で“感動”を生み出し、プロジェクトを成功に導いた体験談を披露しました。

【課題・事例②】建設業界の課題・事例

清水建設株式会社 営業総本部 営業企画室 部長

大谷 昌典 氏

大谷 昌典
大谷さんは、建設業界全体の「4週8閉所」実現に向けた取組みの一環として、土日休日を前提とした適正工期確保を発注者に理解・協力してもらうための施策を営業の立場から説明。客先との協議に使用したパンフレット・リーフレットの内容、昨年度までの同社内での4週8閉所達成率を提示しつつ、地道な活動から経営トップによる積極的な発信まで、業界が一丸となって啓蒙に努めることが課題解決につながる、と強調しました。

【他業界事例(医療業界)】担当医制から時間制へのシフト

株式会社ワーク・ライフバランス コンサルタント

堀江 咲智子 氏

堀江 咲智子
堀江さんからは、建設業界と同じく2024年度から時間外労働上限規制の対象となる医療業界から最新の働き方改革事例をご紹介いただきました。個別の患者さんに対して一人の医師が対応する「担当医制」から、複数の医師が交代しながら対応する「時間制」に移行したことで、チームワークや情報連携の強化、時間外労働の大幅削減に成功した病院の実例を通じて、他業界からも有用なヒントが得られることを発表しました。

【就労への多様な考え方】就活生の意識変化について

株式会社リクルート 就職みらい研究所 所長

栗田 貴祥 氏

栗田 貴祥 氏
栗田さんは、労働力人口や求人倍率の推移とともに、近年の就活生が最初の就職先に求める環境や重視するライフスタイルの意識が変化していることをデータで示し、企業がこれからの若い世代に「就職したい」と思われるためには、経営者・採用担当・就労現場が三位一体となって「就活生の志向の多様化」に向き合い、働く場所としての魅力を高めていくことが重要、と説きました。

企画② パネルディスカッション

登壇者

厚生労働省 労働基準局 労働条件政策課長 澁谷 秀行 氏
国土交通省 不動産・建設経済局 建設業課長 岩下 泰善 氏
日建連労働委員会 委員長(戸田建設 代表取締役社長) 大谷 清介 氏

コーディネーター

株式会社ワーク・ライフバランス・コンサルタント 堀江 咲智子 氏
写真

なぜ今、働き方改革が必要なのか

第2部のパネルディスカッションでは、「なぜ今、働き方改革が必要なのか」をテーマに、厚生労働省から澁谷秀行労働条件政策課長、国土交通省から岩下泰善建設業課長、日建連から大谷清介労働委員会委員長(戸田建設㈱代表取締役社長)がパネラーとして参加し、上限規制への対応にあたり、建設業が抱える課題や、 日建連が展開している取組み、施工者が現場で推進している施策などについて、現状報告や意見交換を行いました。
そのなかで、建設業が人材獲得競争において他業種から遅れつつあり危機感を抱いていること、日建連の「適正工期確保宣言」によって業界全体が足並みをそろえようとしていること、休日確保と工期厳守を両立するために現場業務の様々な効率化にチャレンジしていることなどを論じ合いました。
写真

「選ばれる産業」であり続けるために

そして、建設業が「選ばれる産業」であり続けるには働き方そのものを変えていく必要があること、今働いている人も大切にしなければならないこと、今回の上限規制を社会に訴えかけることで建設業の抱える課題を多くの人に理解してもらうきっかけとしたいことなどを互いに確認し、議論を締めくくりました。