はたらく女性の健康セミナー 「イキイキと働き続けるために自分自身のからだ・健康を考えよう!」
2019年12月19日(木)13:30~16:30
TKPガーデンシティ渋谷 ホール4D
講師:藤原 貴和子(ふじわら きわこ)様
株式会社はたらく幸せ研究所 労働衛生推進リーダー
テーマは「働く女性の健康」
年末押し迫る12月19日(木)、2019年最後となるけんせつ小町セミナーが開催されました。けんせつ小町委員会では、これまで「育児・出産」、「働き方」などをテーマにセミナーを開催してきました。8回目となった今回のセミナーのテーマは「働く女性の健康」です。
仕事とプライベートの充実を図るには健康が不可欠です。しかし忙しい毎日の中で、疲れや不調を感じても、つい頑張ってしまいがちな人も多いのではないでしょうか。
主催者を代表してあいさつに立ったけんせつ小町支援専門部会の畠中千野部会長(大成建設)は、「健康と仕事のあり方について、専門家から直接話を聞く機会は貴重です。このセミナーが、イキイキと働き続けるために、自分の健康管理について考えるきっかけになればと思います」と呼びかけました。
自分の身体のことを理解していますか?
講師の藤原さんは、看護師や保健師など看護職の実務経験をもった専門家が集まり、「価値ある健康」を維持するための組織運営コンサルティング、研修会、人材育成を行う株式会社はたらく幸せ研究所のメンバーとして、企業や教育機関で講習会を開催されています。
藤原さんは、最近話題になったドラマの主人公の勤務先が大手ゼネコンだったことから、けんせつ小町の働く環境をイメージされたそうです。
「ドラマを見ながら、みなさんも頑張っていらっしゃるんだろうなと想像しました。お仕事は大変だろうなと思いますが、健康でイキイキと働き続けるには、自分の身体のことを理解することが何よりも大事です。自分のことでありながら、女性の身体についてよく分かっていないこともあるのではないかと思います」と、女性の身体について理解を深めることの大切さを話されました。
セミナーの前半は、女性の身体の特徴についてのレクチャーです。
藤原さんから、「健康ってどういう状態なのでしょうか?」と質問がありました。質問を受けた参加者の、「自分が働きたいと思ったときに身体が無理なく動くこと」という答えを聞きながら、自分ならどう答えるだろうと考えます。改めて自分にとっての健康の定義が曖昧であったことに気づかされました。
女性の健康は、女性ホルモンの影響が大きいと藤原さん。女性らしい丸みを帯びた身体をつくる卵胞ホルモン(エストロゲン)と、体温を上昇させ、妊娠を助ける黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類の女性ホルモンについて詳しく解説。脳からの指令で女性ホルモンが分泌されるという身体の仕組みから、月経周期、世代別で感じやすい身体の変化や気をつけるべき病気など、女性の身体の特徴が次々と述べられ、資料を見ながらメモを取る参加者の姿が見られました。
職場でも簡単にできるエクササイズ
レクチャーが終わったところで、休憩に入る前に職場でも簡単にできるエクササイズが紹介されました。
椅子に座ったまま肩を上下させたり、両手を天井に向けて伸ばしたりするエクササイズは、肩こりをほぐすことが期待できるそうです。紹介されたエクササイズは、どれでも簡単で、道具を使うものでもないので、思い立ったらすぐに実行できます。椅子に座ったままレクチャーを受けていたので、身体を動かすと緊張がほぐれてすっきりします。参加者のみなさんは、気持ちよさそうに身体を伸ばしていました。
グループワークで意見交換
休憩を挟んでセミナー後半は、グループワークです。グループワークのテーマは、「講義を聞いて分からなかったこと」と「女性として働くことで、困っていること」です。6つのテーブルに分かれた参加者は、それぞれのテーブルごとに自由に意見交換を行いました。
最初は、「喫煙所が不足しているので、受動喫煙が気になる」、「健康について話す機会がない」といったお互いの労働環境について報告し合っているテーブルが多かったのですが、徐々に打ち解けていくことで会話が盛り上がっていきます。
女性の身体の話はデリケートな面も多いですが、ざっくばらんに話し合い、「私も同じことで悩んでいる」、「10年後の自分の健康状態がイメージできない」、「健康面をサポートする制度があればいいのに」など、活発に意見が交わされました。
藤原さんと、サポートで同席されていた濱田安岐子さんが各テーブルを回り、質問に直接答えながら、深みのある議論へとファシリテートしていきます。
今回は女性だけのセミナーでしたが、「男性の更年期についても知りたい」など、同じ職場で働く男性社員やパートナーの健康面に関心を寄せる方もいらっしゃり、自分の健康のみならず、周囲の人に配慮するためにも、身体のメカニズムについて理解することは重要だと感じました。そんな疑問に一つ一つ答える藤原さんと濱田さんのアドバイスは、医療従事者としての経験も踏まえて語られるので具体的かつ実践的です。
横のつながりが深まる懇親会
セミナー修了後には、会場を移して懇親会が開催されました。セミナーの間に渡せなかった名刺を、一人でも多くの参加者と交換する方。テーブルに同席したことで仲良くなり、会話に花を咲かせる方。藤原さんや濱田さんに質問する方と、懇親会の時間を有意義に過ごす参加者のみなさんの姿が印象的でした。
【参加者のみなさんからの感想】
- 普段接する機会のない人事部の方と話をして、会社側も女性の活躍をすすめるために、模索していることに気づかされました。
- 自分の身体のことで、まだまだ知らないことばかりだと思いました。これから結婚、妊娠、出産を経験していくうえで、いろいろ知っておきたいと思います。また自分だけで考えで行動するのではなく、さまざまな方の意見を聞くことで視野が広がると思うので、こういったセミナーに参加することが大事だと思いました。
- 女性同士であっても、身体のことはあまり話す機会がないので良いと思いました。講師の先生による、医学的な見地からの意見が参考になったので、会社で働く女性に今日の情報を伝えたいと思いました。
- 自分の会社では実現できていない働き方をされている方とお話ができて、とても良かったです。男性にもけんせつ小町に参加してもらいたいと思いました。
- 生理休暇を取得している方がほとんどいないと分かりました。会社の雰囲気や、生理中であることを知られてしまうのが恥ずかしいなど、女性だけではなく会社全体の意識改革が必要であると感じました。