けんせつ小町

けんせつ小町セミナー

第13回

自分らしいリーダーシップに出会うセミナー

2022年7月21日(木)13:30~16:30

講師:有冬 典子(ありとう のりこ)様

株式会社Corelead 代表取締役

これから管理職になる女性を対象に

13回目を迎えたけんせつ小町セミナーは、「自分らしいリーダーシップに出会うセミナー」と題し、2022年7月21日開催されました。講師は企業、自治体で研修・講師活動やセミナーの企画・主催する傍ら、プロジェクトチームのリーダーとして若手講師の育成やマネジメントを行っている有冬典子先生です。次世代型リーダーシップ開発、ダイバーシティや女性活躍推進に関する講演や研修は年間登壇数100本以上を誇る人気講師でもあります。

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セミナーの冒頭に、日建連・けんせつ小町支援専門部会の畠中部会長は、継続的に活動しているけんせつ小町が女性だけでなく、建設業で働くすべての人を対象とした活動であることに触れ、「けんせつ小町オリジナルの発想を取り入れて、ハード・ソフト面の両方で“ちゃくちゃく”と取り組んでいます」と述べました。

これまで男性中心だった建設業界ですが、ここ10年で女性の入職が続き、徐々に変化しています。女性の管理職、リーダーはこれから増えていくことが予想されますが、畠中部会長は、「社会の変化とともにリーダーシップの在り方も変わってきています。従来型のリーダーシップを踏襲したやり方では、多様な属性、価値観をもつメンバーとうまくいかない場面もあり、リーダーになりたいという女性社員や若手社員が増えていかない」と感じ、女性の管理職候補を対象としたセミナーの開催に至ったと趣旨を説明。「自分らしいリーダーシップとは何か、リーダーになっていく過程での葛藤との向き合い方をこのセミナーで皆さまと共有したい」と話しました。

「自分らしさ」がキーワード

有冬先生がリーダーシップ開発において大切にしているのは、「組織のためのリーダーとしていかに自分をゆがめてあてこんでいくのかではなく、組織の中でいかに自分が満足してリーダーシップがとれるのか」ということ。自らのコアな願い(理念や志)から周りに影響力を発揮する、戦わないのに無敵のリーダーシップ「コアリーダー」の育成を目的としています。

有冬先生は、これからの時代のリーダーシップにおいてキーワードになるのは「自分らしさ」だと言います。「女性のみなさんが特に男性的な社会の強い業界でリーダーになる時に、男性リーダーの真似をしなければいけないとか、これまでのキャリアモデル的なものが男性リーダーしかいなくて、自分ではない何者かにならなければと思い込んでしまうことがあります。でも、それは違うのだということをこのセミナーでつかんでいただきたいです」と、参加者に呼びかけました。

続いてチャットを使って、日頃感じていることや思っていることを共有しました。「管理職になることについて、どんな不安があるか」「管理職になることについて、どんな期待があるか」という質問に、目で追い切れないほどのコメントが並びました。

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真のリーダーシップとは?

女性管理職を対象に実施したアンケート結果を見ながら、同じ状況に置かれた女性がどんな想いで働いているのか、何に課題感を抱いているのかなど、現状を把握することからセミナーはスタートしました。

有冬先生は、「みなさんが上に立てば立つほど、みなさんの働きやすさはつくりやすくなるということに期待してほしい」とし、ウォルト・ディズニーが残した言葉「現状維持は緩やかな衰退である」を紹介。「いつもイキイキと働いている人は、職場でのチャレンジの場合もあるし、習い事などプライベートなことの場合もあるけれど、常に新鮮なものを自分に投与しています」と、前向きな姿勢の大切さ。そして、ライフベントに苛まれることが多い女性がキャリアデザインを描くには、「ちょっとずつ、少しずつ」がコツだと述べました。

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また、女性が陥りやすいとされる「察してほしい症候群(シンデレラ症候群)」と、「私なんて症候群(インポスター症候群)」について説明し、インポスター症候群度チェックで参加者の心の状態を確認しました。「察してほしい症候群」については、「周りに察しの良さを求めるのではなく、分かってほしいなら自ら発信することが大事」。「私なんて症候群」については、「女性は謙虚になりすぎて、私なんてと考える傾向が強すぎます。健全な自己肯定感を養っていきましょう」と具体的なアドバイスが続きます。

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「これから役職を引き受けていくうえで大事なのは、一人で完璧にやるのではなく、できないことを人に任せられる力です。できなくていい。それよりも周囲に仕事を頼める人になりましょう。リーダーシップとは対人影響力なのです」と有冬先生。真のリーダーシップを発揮するとはどういうことなのか、参加者も管理職に就いた時の自分を想像しながら、有冬先生の言葉に耳を傾けていました。

自分らしさを育むために

その後、有冬先生はこれまで求められてきたリーダーの条件やチームづくり、職場環境と、ダイバーシティ&インクルージョンを目指す現代に求められるそれらの違いを詳しく解説。「性別に関係なく、これからは『私の声』を活かした自分らしいリーダーシップを求められます」とし、成人発達理論を取り入れながら自分らしさを育むためのプロセスや、その過程で起きる葛藤の向き合い方についてもたっぷりとレクチャーいただきました。

「自分自身と丁寧に向き合っていれば、自分らしいしなやかなリーダーシップは生まれていきます。だから外側と戦う必要はありません。自分の葛藤と向き合うと、無敵のリーダーシップになります」という心強いメッセージを有冬先生からいただき、セミナーは終了しました。

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