みんなで考えよう!『誰もがイキイキと働ける職場』って具体的にどんなところ?
2018年11月15日(木)13:30〜16:30
TKPガーデンシティ渋谷 ホール4D
講師:倉橋 和世(くらはし かずよ) 様
株式会社キャリエラ 代表取締役
11月も半ばというのに、上着なしでも過ごせる陽気のこの日、会員企業から31名が集まりました。今回の「けんせつ小町セミナー」は女性だけではなく男性を含めた様々な立場の方にご参加いただき、最初に主催のけんせつ小町支援部会長の畠中 千野さん(大成建設)より開会のご挨拶がありました。
「働き方改革の実現に向けた機運が高まっており、建設業界においても週休二日、労働時間の短縮などさまざまな取り組みが行われています。しかし、本当の働き方改革はみなさん自身が様々な仕事、ライフイベントの中で、柔軟に対応できる職場、働き続けたいと思える職場にしていくことです。今回のセミナーは単なる女性の活躍推進ではなく、建設業界の中の一人ひとりが活躍できることを目指し、日建連では初めての試みとなる男女混合のワークグループ形式としました。誰もがイキイキと働ける職場とはどんな職場なのかをみなさんで一緒に考えていただければと思います。」 と今回のセミナーの開催趣旨をお伝えしました。
はじめに
倉橋先生
「今回はワールドカフェ形式(※)というスタイルで進めることとしました。みなさんが主役です。私は講師というよりはファシリテーターですね。いつもは女性だけなのですが、今回は男女、年代ともに織り交ぜたワールドカフェ形式です。ここで『自分の意見と他社の意見の違いを知り、互いを理解する』という目的をもって、いろいろな人たちと話し合いをフラットにしていきましょう。せっかくなので『自分でできることを考える』という視点でこれから皆さんがやっていけるなにかのアクションを考えていきたいと思います」
ワールドカフェ形式とは
今回、初めてワールドカフェ形式を採用しました。
これはあくまでも“議論”ではなく“対話”をするというものです。
相手と向き合って話し合うことを目的とし、みんなの意見を持ち寄って、協力的に話し合うことにより、そして共通の基盤を見出すことを積極的に行うことをしつつ、相手の「強み」を見出すことを最終目的とします。
【主な進め方】
- 1セッション時間制限は個人ワーク5分、会話20分。
- グループ内で出た発言をふせんにどんどん書き留めて、模造紙に貼り、グループでの対話を「見える化」
- ひとつのセッションが終わったら、グループホスト1 人を決めて、そのホスト以外は別のグループへ移動。
- 第2セッションをその別のグループで個人ワーク、会話を実施。
- その後、元のグループに戻り、それぞれのテーブルで話し合ったことを共有。
ランダムに5〜6人ずつのグループがつくられ先生から「今日一日、自分をこう呼んでほし
いという名前も決めてください」という少し恥ずかしいようなルールの中、自己紹介が始まりました。
最初は戸惑っていた参加者のみなさんも6分間という制限時間が終わるころには笑顔がこぼれ、打ち解けた雰囲気になってきました。
第1セッション:誰もがイキイキと働ける職場とはどんな職場でしょうか?
5分間の個人ワークとして、まずは課題(観点1〜3)について、自身のイメージや考えをふせんに1つずつ、書いていくという作業を行いました。
(観点1)ワークライフバランスが実現した状態とはどんな状態でしょうか?
(観点2)育児や介護などとの両立には、何が必要か?
(観点3)男性にとっても女性にとっても働きやすい職場とは?
思いついたことをふせんに書く際にでるちょっとしたつぶやきがグループの中で新たな視点を見つけるきっかけになるなど、どのグループも個人ワークの中に静かな対話があります。時間が進むについて、グループそれぞれで対話が繰り広げられてコミュニケーションが深まっていきます。
個人ワークが終わり、誰からどのように話しても構わないというルールで対話が始まります。共通点を見つけ出し、個性的な意見にグループ全員で意見を述べ合うなど活発な意見交換がありました。
第2セッション:誰もがイキイキと働ける職場を実現するために必要なことは?
対話終了後、第2セッションにうつるためにテーブルホストを決める際には話し合いで決めるグループ、じゃんけんで決めるグループなどさまざまです。
ほんの20分という時間の対話でしたが、他のグループへ移るには少し名残惜しいという雰囲気がでていたのが印象的です。
20分の対話で一体感がこんなにも生まれるものかと実感できます。
席が変わり新しいグループで自己紹介を始めるとすぐに打ち解け、先生の合図なしに前のグループでの意見を伝え始めるなど、すぐにコミュニケーションが生まれ、しばらくすると笑い声が響き渡り、和気あいあいとセッションが進みます。
第3セッション:家庭やプライベートでも協力し合うのに必要なことは?
第3セッションは別のグループで話し合った内容の共有です。
時間は5
分間でしたが、それでは足りないという参加者が多く、吸収する情報量の多さにびっくりします。
具体的に別の参加者と話した家族の介護の話や夫婦での子育ての話、仕事が異なるため休日が合わないという話など、自身の経験以外のエピソードを共有の場でそれぞれが披露しています。
みんながイキイキとするには職場だけではなく、家庭やプライベートで年代の違い、ライフステージの違い、男女の違いを受け入れて協力し合うのにどんなことが必要なのかを考えるのが第3セッションです。
第1セッションで話し合った時とは異なる軸で話が進み、模造紙の表だけでは足りず裏返して新たな意見の整理を行うなどそれぞれのグループで個性が発揮され、活発な意見交換があります。
今回の対話により、職場の問題だけでなく、家庭の問題なども含めたお互いの視点の違いなど、いろいろな課題が見えてきました。
この後、「明日から何をするか」を決める作業に移ります。
ある参加者がふせんに書いた「意識をする」というワードに目をとめた倉橋先生から、「〇〇を意識するという目標ではなく、具体的に〇〇をする、何回する、どのようにするという具体的な行動を書いてください。相手に伝わる行動を書くことがポイントです」というコメントがありました。
また、倉橋先生からは「このふせん模造紙に貼らずに、自身の手帳に貼って大事に持ち帰り、明日からの実行プランにしてほしい」とのコメントもありました。。
最後に、意見の発表があり、「建設業界は大きなモノをつくっているからこそ、一人ひとりがヒトに対しても思いやりを持たなければと再認識しました」、「こういった場で男女両方の意見を聞くことができて良かったです」という暖かい言葉を参加者の方からいただきました。
倉橋先生
「すごくリラックスした表情で話している姿を見て、少なくとも今日ここに集まったみなさんは一歩ずつ歩み寄りができたと感じました。
このワールドカフェ形式という方法は多くの意見を交換することができるので、今後、会社に持ち帰っていただき、ぜひ使っていただければと思います。
ぜひ本気でイキイキと働ける職場というもの実現できるように私も陰ながら応援しております。」
セミナー後の懇親会では、参加者のみなさんが所属されている会社のことや現場のことなど和やかなムードで対話が活発に行われていました。