ACe建設業界
2011年5月号 【ACe建設業界 創刊号】
ACe建設業界
いま、建設業界に
 求められていること、
 果たすべき役割とは
政策提言集団としての
 活動を
産業の中核団体として
 王道を歩め
フォトエッセイ
今月の表紙
目次
ACe2011年5月号>鼎談
 

[特集] 新会長・土木本部長・建築本部長鼎談

いま、建設業界に求められていること、果たすべき役割とは

 
 
 
建設業の総力を挙げて社会の要請に応える


BCS賞

わが国の良好な建築資産の創出を図り、文化の進展と地球環境保全に寄与することを目的とした表彰制度。写真は第1回(上・1960年)と第51回(下・2010年)の表彰式の様子。

―新日建連の事業計画では、最重要課題の第一として、「震災対策の推進」を挙げられていますが、これまでにどのような活動をしてこられましたか。今後、復旧・復興へ向けて、どのような取組みを進めていかれるのでしょうか。

野村 東日本大震災発生後、直ちに「新日建連緊急災害対策本部」を立ち上げました。合併前でしたが、実質的に、新日建連としての、目に見える形での活動の第一号となりました。今回の地震に関しては、当面の応急復旧はもとより、被災地域の復興はわが国の最重要課題となります。この国難ともいうべき事態に対して、建設業界が、復旧・復興に全力をあげて貢献することは当然の使命であり、新日建連はその支援に総力を結集していきたいと考えています。

中村 自然災害が多発するわが国において、国民の安全・安心な暮らしを支える生活基盤を築き、それを守ることは建設業界に課せられた最大の使命であり、今こそ我々の力を発揮すべき時です。新日建連においても地震発生直後から東北支部を中心に本部や全国の支部で総力を挙げて復旧支援活動に取組んできましたが、今後も被災地が1日でも早く、元の「安全・安心な暮らし」を取戻すことができるように全力投球していく所存です。また、復旧・復興のグランドデザインを描くために、我々がお役に立てることがあれば、提案していきたいと考えています。

  私が土工協会長に就任した時のインタビューで「我々建設業は一朝事あれば、すわ鎌倉に馳せ参じる武士なのだ」とお答えしたことがあります。今はまさにその時なのです。今こそ〝一剣を磨いてきた〟我々建設業の総力を挙げて社会の要請に応えていきたいと思います。

―復旧支援活動は東北支部を中心に取組んだそうですが、支部の役割についてどうお考えですか。

中村 本部の方針を実際に実行してもらうのは、支部しかないと思っています。今回の大震災の被災地復旧に向けた支援活動も、東北支部が中心となり、本部支部が協力して対応をしています。協会活動において支部はまさに足腰であります。今後も支部に大いに活躍していただきたいと思います。

野村 その通りだと思います。今回の震災では、国土交通省東北地方整備局の依頼に応じて、各資材の手配は支部を通じて迅速に行うことができました。

―今回の震災を受け、建築基準法の改正や技術提案に今後どのような変化が現れるとお考えでしょうか。

山内 先程も申しあげましたとおり、耐震化の推進を大きなテーマとして活動してまいります。

  重要なことは、新耐震基準を満たした建築物だと、一般の人からも分かる仕組みをつくることだと考えています。防災拠点となる学校、病院などの施設をはじめ、公共的な施設において、新耐震基準への適合状況の表示を促進し、第三者が安全に建築物を利用できるための環境を整備することが必要であり、国土交通省や関係団体と連携して、対応していく予定です。

―最後に、会費問題や事業の合理化、支部の問題など、積み残された課題への対応はどのように取組まれていきますか。

野村 これまでは限られた時間の中で、合併を第一目標に進めてきました。これからは一般社団法人への移行準備を進めながら、活動の合理化を図るべく、フォローアップ活動を行なっていきます。委員会活動を含めた事業の総点検、経費の削減、合理的な会費制度の整備等、積み残された課題に一つ一つ対応していきます。また、支部のあり方については、公益法人制度改革への対応もありますので、ガバナンス確保の観点から検討をしていきます。その他の課題についても、新団体の活動がある程度動き出した段階で、それぞれ検討を開始する予定です。

―本日はありがとうございました。

耐震化の必要性について問題提起を行い、
対応策を講じていくことが我々の使命

         ―― 山内建築本部長

 
   
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