ACe建設業界

ACe 建設業界【2016年5月号】

【碑文】

栗熊駅前

栗熊駅前

農道をゆく

農道をゆく

仁池

仁池

仁池の北べりに建つ4つの碑 手前から仁池改修工事竣工記念、仁池改修之碑、仁池改閘之碑、仁池堤

仁池の北べりに建つ4つの碑 手前から仁池改修工事竣工記念、仁池改修之碑、仁池改閘之碑、仁池堤

飛渡神社境内裏の3つの碑 手前から水深川静、仁池改修工事竣工記念碑、仁池分水池改修工事竣工記

飛渡神社境内裏の3つの碑 手前から水深川静、仁池改修工事竣工記念碑、仁池分水池改修工事竣工記

飛渡神社

飛渡神社

飛渡神社碑

飛渡神社碑

三百年祭遷宮録

三百年祭遷宮録

飛渡神社 三百年祭遷宮録 碑文


 三百年祭遷宮録
 飛渡神社は矢延平六叶次を祀る叶次髙松藩に仕へ
 齢三十三歳より西暦一六八五年七十六歳にて昇天
 せる四十年の間工築せし池溝百有余当仁池は工費
 少く貯水量豊富其の理想作なり住民是が徳を称へ
 祠を富熊村沖に建て祭祀経続す今回社殿老朽改築
 を期に氏子相謀り池の理事関係者各位の賛同を得
 て池面を一望し灌漑地を俯瞰の当所に移築す時の
 正副理事長長尾正義横井眞清山本忠正誠意協力し
 完工せり氏子総代田村政市十河一正岩崎英一飛渡
 義孝安藤光顕三谷俊作その労を謝し敬神に励まん
 自今神社管理は仁池土地改良区が当り例祭を池の
 閘抜の日と定む祭神没後三百年の日を記念し茲に
 遺徳の一端を述べ再拝して移転遷宮の概要を刻す
     昭和六十年七月一日   飛渡義孝撰
 

   

飛渡神社 三百年祭遷宮録 碑文


 飛渡神社碑
  貴族院議員正三位勲二等伯爵松平頼壽閣下篆額
 飛渡神社ハ矢延平六叶次ヲ祀ル叶次髙松藩主松平頼重ニ仕ヘ水利ニ功
 アリ民之ヲ徳トシ此ノ祠ヲ建ツ抑モ讃岐國タル田野夙ニ開ケシモ灌漑
 ノ利全カラズ生駒氏ノ髙松ニ封セラレシ時其ノ臣西島八兵衛四十八池
 ヲ築キシガ猶未ダ洽キヲ得ズ寛永十九年頼重此地ニ移封セラルルヤ大
 ニ池溝ノ役ヲ興シ叶次ヲ挙ゲテ任ニ當ラシム叶次拮据経營四十餘年東
 ハ大内郡ヨリ西ハ那珂郡ニ至リ工ヲ起スコト一百餘所ニ上ル仁池ハ即
 チ其ノ最モ著シキモノニシテ慶安元年六月二十八日着手シ翌二年三月
 二十五日功ヲ竣リ其ノ利ノ及ブ所上法軍寺村富熊村ヨリ字足津村ニ至
 ルマデ實ニ十村一千町ニ達セリ人或ハ仁池ノ工事ノ過大ナルヲ讒ス叶
 次之ニヨリテ罪ヲ獲テ退ケラレシガ幾クモナクシテ複タ任用セラル叶
 次心ヲ池溝ニ専ニシ老ニ及ブモ娶ラズ弟平次ヲ養ウテ嗣トナス其ノ後
 始メテ妻ヲ迎ヘ子太郎右衛門ヲ生ム七十四歳ニ至リ病ヲ以テ致仕シ富
 熊村ニ隠棲ス後二年ニシテ歿ス時ニ貞享二年七月朔日ナリ村人叶次ノ
 徳ヲ慕ヒ厚ク之ヲ葬リ元禄十年地ヲ小字飛渡ニ相シテ祠ヲ建ツ爾來祭
 祀怠ラズ今ニ至ルマデ二百三十四年旱ニ雨ヲ祈レバ必ズ験アリ頃者村
 人相謀リ祠ノ由來ヲ碑ニ刻セントシ余ガ其ノ後裔ナルノ故ヲ以テ文ヲ
 余ニ需ム乃チ古記ヲ探リテ其ノ大略ヲ録スト云爾
    昭和五年十一月 學習院教授正六位勲五等古川喜九郎撰
                      從七位泉田穀穂書
 
 

   
 

仁池改閘之碑 碑文


 仁池改閘之碑
 正四位伯爵松平頼壽題額
 仁池在綾歌郡法勲寺村發源於大川山自長炭村穿溝而引流貯水
 面積二十八町三反九畝二十一歩灌漑區域渉栗熊富熊法勲寺坂
 本飯野川津宇多津之一町六村實為寛文三年築造閘初木製故朽
 腐不保長協議換石材直經一尺五寸長四十二間大正九年八月一
 日始起工同年十二月告成工費二萬六千七百餘圓也委員長岩﨑
 政吉委員平崎孫市三好幸七立會人栗熊村新名政次郎富熊村原
 岡永江高木森次法勲寺村十河正一吉馴義信坂本村佐藤淸三郎
 大林松次川津村河野千百馬中西荒吉川崎甚三郎香川忠太飯野
 村宮本淸吉宮本勇七三浦本太郎宇多津町三木繁太郎長尾長太
 郎技術員塩田佐工事監督横山仙五郎古川東市事務員十河正研
 各當其任拮据甚勤用役者實一萬一千九百三十人竣事上績自是
 水利之便仁譲之俗萬福無窮茲紀其始末勒石以告久遐
  大正十二年           三谷宣三撰并書
 

 
   

仁池改修之碑 碑文


 仁池改修之碑
 仁池ハ創築以來約三百年ヲ閲スルモ其後殆ト修理ノ事跡ナク從ツテ堤塘
 ニ危險ノ憂アリ爲ニ関係者相謀リ改修ヲ議シ昭和十八年耕地整理組合ヲ
 組織シ組合長ニ岩崎孝太郎副長ニ平井七五三八大林辰三郎山口鶴吉吉田
 忠次評議員又ハ組合會議員ニ法勲寺村片原鐵次多田羅又吉前堀九一三好
 敦雄宮武正三宮武甚五郎秦利平長尾勝次内海晃小林零一佐藤瀧次郎三好
 正知進正義富熊村原岡謹一髙木元太郎内海増太郎山下茂丸尾勇古川伊勢
 雄土井兼次田村弥太郎平池千代造栗熊村片岡良弼新名富太郎坂本村大林
 千代之助喜田一見徳井亦市大林權六川津村茶本要次郎香川忠太髙木徳太
 郎髙木泰助田中重忠小野小四郎藤本澤太原村敏夫沼野數太尾﨑藤四郎髙
 木弥三郎中西政七矢野庄太郎藤本善吉宇多津町谷川大五郎玉井悦次郎玉
 木一一松本鶴吉北本利三郎木下房吉十河雪次山田繁次郎木村岩太郎工事
 着手ハ昭和十八年九月総務ニ岩﨑孝太郎工事係吉田忠次山下茂丸尾勇前
 堀九一小林零一會計平井七五三八庶務兼會計十河正研技術員豊島嘉次郎
 各其任ニ當リ拮据克ク勤メ昭和二十年三月竣工セリ工事ハ前堤全部ノ改
 築閘ハ旧櫓式ヲスルースバルプ式ニ改メ且閘尻ニ水槽ヲ新設シ餘水吐ヲ
 改造スル等總工費十萬餘圓也仍テ本池ノ堅牢ト貯水配水ニ間然スル所ナ
 キヲ得タリ此間縣耕地課ノ懇篤ナル指導ト松浦伊平氏ノ切實ナル支援ハ
 共ニ関係者ノ感銘スル所ナリ茲ニ其始末ヲ誌シ以テ永遠ニ貽ス
     昭和二十二年八月
 

     

仁池改修工事竣工記念碑 碑文

   仁池改修工事竣工記念
     香川県知事 金子正則書
 
  仁池は綾歌郡綾歌町と飯山町に跨り慶安二年矢延傳六によって築造されたと傳えられている受益地域に綾歌町
 飯山町宇多津町坂出市川津町の一市三町に及ぶ受益面積は四五〇ヘクタール受益農家は一一六〇戸溜池の規模は
 堤長三二八米堤髙一六米堤頂巾六米満水面積二八三ヘクタール貯水量一五〇万トン集水面積一五六ヘクタールで
 ある
  築造以来三二〇年その間度々改修したと傳えられるが最近では大正九年に木樋から石樋に改修した更に昭和十
 八年には堤体の前付と櫓式閘をスルースバルブに改良し閘尻に水槽を新設し余水吐を改造した
  しかし堤体基盤の疎漏ならびに堤体の締固め不十分のため築堤当時からの漏水は依然として止らず満水時には
 毎秒二四立に達していた加えて余水吐断面及び堤体余裕髙の不足のため洪水時には決壊の危険にさらされていた
  今回理事総代等相謀り県営仁池大規模老朽溜池改修事業として総事業費六二七〇万円(内訳国庫補助六割県費
 補助二割地元負担二割)を授し堤体工事(延長三二八米堤頂巾六米嵩上髙〇・九米盛土量三三五〇立方米波切石張
 三三〇〇平方米堤体腰石積一五〇米四八〇平方米グラウト五五〇〇米注入したセメント一五四〇〇袋)余水吐工
 事(計画洪水量毎秒二一・六五立方米越流水深〇・六米右岸側新設越流堰長一一米放水路二〇〇米左岸側改修越流堰
 長一四・五米内四米は起伏ゲート放水路八四米ゲート操作室一棟)樋管工事(土砂吐水門巾〇・四五米髙〇・四五米一
 門斜樋取水孔三〇〇粍スルースバルブ四門操作室一棟)の三工事を香川県(設計監理中部土地改良事務所)が事業
 主体となり昭和四十年度に着工し昭和四十二年度に竣工をみた
  受益者一同は見事に竣工した築堤を見ては子々孫々に至るまでの安泰をよろこび満々とたたえられた水を見て
 は工事関係者に対し心から感謝の念にたえないここに碑を建立しその偉業を後世に傳える
           昭和四十三年九月吉日                    宮武三造撰
 

         

仁池改修工事竣工記念碑 碑文

   【碑文 表】
 仁池改修工事竣工記念碑
  仁池は、西暦一六二八年に築造され、一六四八年に
 矢延平六により改築された。
  爾来、先人達の努力により幾度か改修を重ねてきた
 が、近年に至り、堤体の一部及び石樋管よりの漏水が
 見受けられる等その老朽化が顕著になった。しかし、
 その改修には多額の経費が必要となること等からその
 対策に苦慮していたが、幸いにも今般、この工事が国
 営総合農地防災事業に採択され、受益者負担もなくし
 てため池安全確保のための堤体補強工事に併せて長年
 の懸案であった堆積土砂の浚渫事業も着工の運びとな
 った。
  以来、中国四国農地防災事業所、県・市町及び施行
 業者の格別のご尽力により、この度竣工をみたところ
 である。
  ここに、関係者の労に謝意を表するとともに、今回
 の工事の概要を刻して後世に伝える。

  【碑文 裏】
 事業名  国営総合農地防災事業
 事業主体 農林水産省中国四国農政局
      香川農地防災事業所
      事業内容 堤体工(前刃金工法)
      施行延長 八〇米
      法面保護 二二・七三平方米
      堆積土砂浚渫工 二九、四〇〇立方米
      樋管工 口径八〇〇ミリ米
      長さ 七五・八米
      取水孔    四箇所
      土砂吐ゲート 一門
      取水ゲート  四基
 総事業費 三億二千七百六拾万円
 工事期間 平成十一年三月着工
      平成十五年三月竣工
    平成十五年十二月吉日
     綾歌郡仁池土地改良区
      理事長  津村憲一
       仁池改修工事竣工役員
     綾歌郡仁池土地改良区
      理事長  津村憲一  理事 永井 孝
      副理事長 川井芳富  理事 林 義雄
      副理事長 山岡茂美  理事 西原茂憲
       理事  石井高廣  理事 谷川英昭
       理事  吉井 隆  理事 藤村弘之
       理事  常井 豊
       監事  田中良忠  監事 香川 稠
       監事  古川 博
    工事施行業者 坂出土建工業株式会社
           香川工業株式会社
    

     

仁池分水池改修工事竣工記念碑 碑文

   【碑文 表】
 仁池分水池改修工事竣工記念碑
  仁池の分水池は、設置以来永年を経過している
 ため逐年、流入土砂の堆積、配水ゲートの損壊、
 護岸の老朽化等によりその貯水、配水機能が著し
 く低下し、抜本的な対策が急務とされていたが、
 その改修には多額の経費が必要となることから長
 年の懸案となっていた。
  しかし、幸いにもこの度、国営総合農地防災事
 業の追加工事として特別の採択が認められたに伴
 い後世に残る基盤整備が完成したものである。
  ここに、関係者の方々の格別のご尽力に対し、
 謝意を表すとともにこの工事の概要を刻み、末永
 く後世に伝える。
      平成二十年三月吉日
       綾歌郡仁池土地改良区
           理事長 津村憲一

  【碑文 裏】
 工事の概要
 事業名  国営総合農地防災事業
          (仁池防水池改修事業)
 事業主体 農林水産省中国四国農政局
      香川農地防災事業所
 事業内容
      堤体工 積ブロック 三四六平方米
      重力式擁壁 一〇九・七米
      取水施設工(擁壁) 一〇二・〇米
      配水用ゲート設備 一号~三号
            (門柱型及びスライドゲート)
  底樋流入調整ゲート設備一門
総事業費 八千二百万円
工事期間 平成十九年九月 着工
 平成二十年三月 竣工
  工事竣工役員
綾歌郡仁池土地改良区
  理事長  津村憲一       理事  永井 孝
  副理事長 川井芳富       理事  林 義雄
  副理事長 山岡茂美       理事  西原茂憲
   理事  石井高廣       理事  谷川英昭
   理事  吉井 隆       理事  高木正信
   理事  田中良忠       
  代表監事 香川 稠
   監事  宮瀧照實       監事  楠 博志
工事業者  有限会社 古竹建設
      株式会社 村上製作所

 
  

     

水深川静

   【碑文 表】
 水深川静
  仁池導水路は昭和三十七年に造成されてから 五十年以上
 を経過しており、導水路本体及び水門の老朽化が著しく、漏
 水の増大など、農業用水の安定供給に支障をきたしていた。
 しかし、その改修には多額の経費が必要となることからその
 対策に苦慮していたが、幸いにも今般、この工事が国営農業
 用水再編対策事業香川用水土器川沿岸地区に採択され、僅か
 な地元負担で導水路の改修工事着工の運びとなった。
  以来、香川用水土器川沿岸農業水事業所、県・市・町及び施工
 業者の格別のご尽力により、この度竣工をみたところである。
  ここに、関係者の労に謝意を表するとともに、今回の工事
 の概要を刻して後世に伝える。
    平成二十五年三月吉日
     綾歌郡仁池土地改良区
         理事長 津村憲一
  

表1
  
表2
  【碑文 裏】
 仁池改修工事竣工役員
  綾歌郡仁池土地改良区
   理事長  津村憲一  理事 西原茂憲
   副理事長 沼野長臣  理事 谷川英昭
    理事  吉井 隆  理事 高木正信
    理事  永井 孝  理事 藤本勝義
    理事  林 義雄
   代表監事 小野公平
    監事  天池 進  監事 田中美枝子
    

             

仁池堤体改修之碑 碑文


  仁池堤体改修之碑
慶安元年六月、矢延平六叶次が始めた仁池の築堤工事は、上法勲寺村富熊村より坂出市宇多津町に
至る広大な農地を潤す壮大な水利事業であった。その後、大正の石閘換え、耕地整理組合発足を機
とする改修、更には県営老朽溜池事業による昭和の改修など、仁池には幾多の歴史が刻まれている。
平成に入り、堤防前部補強、取水施設改修と併せ池内の浚渫が国営総合農地防災事業により行われ
たものの、未だ改修の了していない裏法の陥没・亀裂などに対する安全確保を懇請する声に応え、
関係機関へ改修工事の必要性を強く説き、平成二十五年度単独県費補助土地改良事業として採択を
得て、工事に着手し、翌二十六年三月竣工をみた。
ここに平成の大改修を終え年末の宿願を果し得た喜びを一千八十の組合員と分かち合うとともに、
  
先人の偉業を継承し、永く讃岐平野を潤し続けんことを願い碑を建て記念とする。
   平成二十六年七月
     総事業費 五、〇〇七万四千円
     事業概要 堤体裏法盛土 延長 一六九メートル 花崗土地元調達 一万五千立方メートル
          法裾ブロック 三五五平方メートル 洪水吐補修並びにゲート補修 一式
     工事着工 平成二五年八月二九日    竣工 平成二六年三月二〇日
     施工業者 横田建設株式会社
     補助金  香川県 二、五〇〇万円   丸亀市 七一二万五千円
          坂出市 三一二万五千円   宇多津町 二二五万円
     地元負担 一、二五七万四十円
                     綾歌郡仁池土地改良区
                          理事長 津村憲一