前川定五郎翁彰徳碑 全文
【表】
前川定五郎翁彰徳碑
三重県知事 青木理
【裏】
翁は天保三年十一月九日鈴鹿市甲斐町に生れ公徳心極めて厚く明治廿九
年鈴鹿川洪水に際し古船を購入し無料にて通行人を渡し減水後は私財を
投じて板橋を架け之が維持と修繕に献身的努力を傾注すその功績洵に多
し 鈴鹿郡長北野氏翁の事業に感激して之に協力し関係町村の協賛を得
て巾十尺長さ百三十間の土橋を架け定五郎橋と命名す 三重縣斯民会亦
第一回総會に於いてその徳を讃えて表彰す 然るに翁逝いて三十有余年
世人漸くその徳を忘れんとす 吾等之を憂い茲に碑を建て後世にその偉
徳を傳うるものなり
昭和二十七年五月十日 発起人 鈴鹿市長 杉本龍造
世話係 甲斐町有志