耐震診断の結果、耐震性能が所定のレベルに達していないと判断された場合には、倒壊しないようにどのように補強するか具体的に計画を立てます。そのための設計を耐震補強設計と言います。
補強設計を実施するに当たっては、目標性能の他、建物の設備や使い勝手(施工の条件)、耐震改修工事の費用、工期など様々なことを考慮して進めます。
耐震改修フロー図
耐震改修のフローを右図に示します。
耐震診断を行い耐震補強の要否の判定を行った結果、補強工事が必要となった場合、目標性能に応じて複数の補強案を検討します。
耐震補強は既存構造体(柱・大梁・耐震壁等)に耐震要素を付加する形で行いますので、意匠性や機能性に大きな影響を与えます。また、施工条件によって工事費(コスト)が大きく異なってきます。したがって、可能性のある工法の中から総合的に判断して採用案を決定することが重要です。
また、可能であれば大規模修繕・リニューアル等も同時施工で行った方が、重複工事も避けられることから合理的と判断されます。