2017年3月に政府が決定した「働き方改革実行計画」により、建設業においては、2019年4月の改正労働基準法の施行から5年後の2024年4月から罰則付きの時間外労働の上限規制が適用されることとなった。
日建連では、2017年9月に「時間外労働の適正化に向けた自主規制目標」や「週休二日実現行動計画」等を柱とする「働き方改革推進の基本方針」を定め、働き方改革の様々な活動に取り組んできた。
そして、2022年3月に自主規制目標の前倒しを含む「時間外労働削減ガイドライン」を発出し推進の強化を図ってきた。
なお、時間外労働上限規制に対応するためには建設現場の4週8閉所の実現が必要不可欠であり、かねてより「建設業週休二日」の活動を展開してきた。
建設業は2024年4月から上限規制が適用されます。残りの期間で上限規制の適用を見据えた働き方改革が求められています。今後はより一層上限規制に向けた様々な対応をしていかなければならない中で、業界内外の取り組みを講師をお招きして紹介。さらには省庁のキーマンと日建連の委員長でパネルディスカッションを開催しました。
当日の様子は、特設サイトにてご覧いただけるほか、ACe建設業界【2024年1月号】特集記事にてより詳しい記事をお読みいただけます。
2017年9月 「働き方改革推進の基本方針」を理事にて決定
2017年12月 「週休二日実現行動計画」策定
2017年~2023年 生産性向上推進本部および土木本部・建築本部にて、時間外労働の削減につながる生産性向上事例などを発信
2018年~2023年 「公共工事の諸問題に関する意見交換会」のテーマに「働き方改革・担い手確保と生産性向上」を提起
2019年4月 建設業界の働き方改革を伝えるサイト「Work Style Lab」開設
2020年7月 中央建設審議会が「工期に関する基準」を決定
2022年3月 「時間外労働削減ガイドライン」発出
2022年4・12月 広報誌「ACe建設業界」にて時間外労働上限規制対応に関する記事を掲載
2022年11月 労働委員会職場環境部会にて、厚生労働省労働基準局労働条件政策課長による講演と質疑応答の実施
2023年3月 「2023年度時間外労働削減取組み方針」発出
2023年4月 時間外労働上限規制対応に向けたリーフレット公開
2023年5月~ 広報誌「ACe建設業界」にて特別企画「建設業の明日を拓く 2024年度時間外労働上限規制への対応」を掲載
2023年7月 建設業の働き方改革の加速に向けた「適正工期確保宣言」を公表
2023年11月14日 「働き方改革カンファレンス2023」開催
2024年2月 労働委員会職場環境部会にて、厚生労働省労働基準局労働条件政策課長による講演と質疑応答の実施
◎関連サイト
→同ページ内の「建設業時間外労働の上限規制わかりやすい解説」「建設業の時間外労働の上限規制に関するQ&A」では、基本的な事項のほか、当会会員の疑問の解消に資するQ&Aや、2024年4月からの新たな例外規定「労働基準法139条(災害時における復旧及び復興の事業)」の取扱いの説明もあります。
2022年11月10日、2024年2月13日に、労働委員会職場環境部会にて、厚生労働省労働基準局労働条件政策課長による講演と質疑応答を実施しました。
質疑応答では、労働時間調査やヒアリングなどを通じて会員各社から事前に寄せられていた質疑に対する応答をいただきました。
※当質疑応答は、日建連会員各社の事業内容や働き方を前提としているため、公開範囲を会員限定といたします。
時間外労働上限規制に関する厚生労働省との質疑応答(会員限定)
国土交通省では、受発注者が適正な工期を確保するために考慮すべき事項をとりまとめた「⼯期に関する基準」を2020年7⽉に制定されました。
2024年3月、罰則付き時間外労働規制の適用に向けた規制の遵守の徹底を図るため、同基準が改定され、受発注者の責務が具体的に記述されました。
違反した場合には国土交通大臣等が、工事の発注者に対しても勧告を⾏うことができると新たに明記されました。
日建連は、罰則付き時間外労働規制へ対応するため、民間発注の建築工事を対象として、2023年7月に「適正工期確保宣言」を決定しました。
日建連会員企業は、発注者に対し見積書を提出する際に、工事現場の4週8閉所、週40時間稼働を原則とした「真に適切な工期」に基づき見積りを行い、工期・工程を添付するとともに、発注者の理解を得るための説明を徹底することとしています。
また、協力会社から真に適切な工期を前提とした見積りがなされた場合には、当該見積及び工期・工程を確認した上でこれを尊重することとしています。
日建連は、適正工期での受注を推進するため、建築工事の適正工期を算定するプログラムを公表しています。 建物概要を入力することにより、完全週休二日を実現する適正工期をネットワーク工程表として自動作成します。
長時間労働の改善には、「適正な工期の確保」「4週8閉所の実現」「柔軟な働き方の理解」や「設計変更等により当初契約時の工期では施工が難しくなる場合に工期延長等の契約条件の見直し」など、発注者のご協力が不可欠です。
日建連では、建設会社各社が共通のツールを用いて「工期に関する基準」をもとに発注者にご協力をお願いできるよう、国土交通省・厚生労働省にご後援いただき、リーフレット①「民間事業者・施主の皆様へ 建設業の働き方が変わります」を制作いたしました。
また、ご協力をお願いする背景にある、建設業が担い手不足や長時間労働など多くの課題を抱えている現状を紹介するリーフレット②「建設業の担い手、働き方の現状」を制作いたしました。
民間工事の発注者との工事計画の打合せ時など、下記からリーフレットをダウンロードの上、ご活用ください。
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