けんせつ小町フォーラム@札幌
「女性が働きやすい職場とは ~イキイキした職場を作ろう!~」
9月19日(木)にけんせつ小町フォーラムを開催しました。
北海道地区では初めての試みです。
2018年9月19日(木)
13:30~17:30
ホテルポールスター札幌 2階 メヌエット
プログラム:
◯基調講演(50分)
「女性が働きやすい職場とは ~イキイキした職場を作ろう!~」
◯パネルディスカッション(70分)
北海道で活躍中のけんせつ小町5名によるパネルディスカッション
◯交流会(80分)
基調講演
【講師 竹之内 幸子様】(要旨)
いま、まさにダイバーシティの時代
仕事も生活も大事にするという価値観が大多数を占め、ビジネスをとりまく環境も、労働市場も、価値観・就業意識も大きく変わってきており、男女関係なく働きやすさを考える時代、つまりジェンダーフリーの時代になったのです。
いま、私たちはこの状態を良いとか悪いとか、正しいとか間違っているという観点でジャッジしている場合ではありません。
まずはこうした現状を理解、認識して、組織の発展のために、いまこそ一人ひとりが働き方を見つめ直し、ダイバーシティ推進を行わなければならないのです。
どうして女性活躍推進が必要なのか?
そもそも、「こういう人は、こういう考え方」というバイアス(思い込み)を見つけ、外見や個性で組織を構成するのではなく、「組織はなんのために仕事しているのか」、「会社がどのような目的のため存在しているのか」、「どのような事業によって社会に貢献しているのか」という本質的なことを考える環境をつくることが必要です。
そのためには、まずたくさんの属性を有する人たちを組織に入れ、バイアスやレッテルを払拭していく働きかけを行います。
これまでは受け入れる組織の大部分は男性中心でした。一方、マイノリティにだけ注目すると、その中の中心は女性です。
ですので、企業は多様な人材登用していくファーストステップとして、まず「女性活躍推進」を実践するのです。
この女性活躍推進を次のステップに応用できる力がある企業だけがこの先、伸びていく企業と言えるでしょう。
新3K(期待・機会・鍛える)のマネジメント
多様な人材によって構成した組織が同じゴールを目指すためには、マネジメントの工夫が必要です。このマネジメントの工夫により社会変化に適応する力がつくのです。
部下に「どうしてほしいか」を一方的に指示するリーダーはかなりいます。しかし、「なぜそう思っているのか」、その結果社員とどういう関係になりたいのかを話さないのがほとんどです。自ら変化し進化できる組織をつくっていくために、「なぜやるのか」、「どうしてやるのか」を共有していかなければ、部下は動かず、成果を出すことができません。組織的に社員を育成するために、「期待を伝える」「機会を与える」「鍛える」という新たな3Kの実践により目標を共有することが必須となります。
パネルディスカッション
「けんせつ小町が笑顔で働き続けるために」
【パネリスト】
福川 春菜さん(岩田地崎建設株式会社)
是永 明日香さん(鹿島建設株式会社)
北田 薫美さん(清水建設株式会社)
谷口 悠美子さん(大成建設株式会社)
山中 くるみさん(戸田建設株式会社)
【コーディネーター】
竹之内幸子様
質問:女性活躍推進ということで女子学生が志望する割合が増えてきている建設業界ですが、外からの印象と実際に働いてみた印象の違いを教えてください。
山中:宮大工に憧れていたので、私はマイナスイメージもなく、男性の職人さんに対しては頼りにしていますし、尊敬しています。現場で近所の高校生から手を振られたりするので、悪いイメージというものは出ていないと感じています。
谷口:建物を建てる人はかっこいいなあという印象があったので、キツイという印象はありませんでした。
北田:トンネル現場に志望して入社しましたが学生が心配するような残業や休日出勤も少なくなってきています。むしろ人の役に立つというポジティブな印象のほうが強いです。
是永:私の大学の友人はいわゆる丸の内OLでして、ヘルメットや作業着に抵抗がある人もいますが、私は気になりません。建設業界を志望し研究している人にとってはそんなにギャップはないと思います。
竹之内:固定観念という個人の意識はばらつきがあるようですが、ご自身でギャップをうまく埋めているのですね。
福川:私は当初、建設現場は汚い、臭いというイメージでした。しかし、職人さんご自身なり、奥さんなりが作業着もきれいに洗濯していて現場では洗剤のいい匂いがします。現場の職人さんはプロフェッショナルなので、プライドもあり、多くのことを学べます。
質問:仕事で辛いと思うときはどんなときでしょうか?そして、どうやってそのつらさを乗り越えましたか?また、今の仕事ですごくやりがいを感じる、魅力を感じるというところを教えてください。
北田:チームで仕事をしなければいけないときに、知識や技術が不足していると悔しいです。そうなると、ここまでできていないといけないと勝手にゴールを考えてしまいます。一回聞けば解決するのに、聞かずに一人でなんとかしなければと思い、余計に悩んでしまう時間がありました。チームで仕上げることが仕事なのに、頑張っていることに自己満足してしまっていたのです。
谷口:私は時間が限られているなかで思い通りにいかないときには悔しいと感じます。しかし、結果がでたときには嬉しく感じます。また、建設業界なので建物ができたときなど、多くの人の手によってこんなに大きなものが完成したと思い、感無量になります。
竹之内:私もいろいろな建造物ができあがってくるのを見ると感動するので、携わっている方々はよほどのことだと思います。
福川:女性として働いていて「女だから」と言われたことはありません。橋脚工事の次にシールド工事の現場に配属され、2現場目です。2現場目といってもシールドのことは全く知らなかったので、同時に配属となった1年目の後輩とほとんど同じスタートラインでした。すべての仕事をするわけではないので、仕事の割り振りによっては後輩に置いていかれるような気がしました。そのときは悔しかったです。でも、自分の役割があり、現場では先まわりして資材を用意するなどしてチームを支えることができたときは「ありがとう」と職人さんに言われ嬉しかったです。
質問:女性がはたらきやすい職場とはどういうところでしょうか?
谷口:実際に現場にいたときに妊娠が判明し、上司に相談したところ現場ではなく事務所の中でできる仕事に変更してくれました。産休育休中も何度も上司と面談し、復帰プランを一緒に考えてくれたので働きやすい現場だと思っています。
福川:女性が働きやすい環境はイコール男性も含め誰でも働きやすい環境だと思います。
会社は自分に今後どういうふうに働いてほしいと思っているのか、一対一で上司と話せる環境が必要だと思います。
竹之内:中長期的にしっかり働くことを考えている社員をしっかり受け止め、キャリアデザインを組織の中で考えていくためには1on1で社員に対する成長や期待、意識を引き出すということが大切です。
交流会
パネルディスカッションのあとに、交流会を開催し、鹿島建設北海道支店・土山淳子様によるご発声により乾杯でスタートしました。
あちこちで名刺交換やパネルディスカッションでの発言についての質問などで話が盛り上がっていました。