耐震診断は、まず予備調査として建築物の概要や設計図書の有無及び建物使用履歴の確認、診断に必要な情報や資料の収集を行い、診断計画の立案をします。
次に現地調査を実施し、その結果から耐震性の検討・評価を行います。どのような調査を行うかについては、建物の規模・重要度、調査の可否などを考慮し、診断レベルに応じて診断者が適切に設定します。
耐震診断実施後は必要に応じて耐震補強案及び概算工事費等を検討します。
耐震診断のフロー
予備調査は、耐震診断に必要な建物の基礎資料を得ることを目的としています。
現地調査は、直接現地に赴き建物の現況を調査するもので、目視による劣化調査や図面照合及びコンクリート強度試験・中性化試験等の調査を行います。
コンクリートコア採取状況
中性化深さの測定例
耐震診断は、予備調査及び現地調査の結果を踏まえて、建物が保有する耐震性能を評価し、現行の耐震基準と比較して判定を行うことで、各種基準や指針等に準拠して行われます。すなわち、既存建物の大地震時における耐震安全性を評価し、補強の要否を判定することです。
また、耐震診断は、構造設計のできる一級建築士事務所等で耐震診断の手法に精通している専門家に委託します。