高流動性コンクリートの普及促進に向けて

高い流動性と材料分離抵抗性をあわせ持つコンクリートの普及による建築物の品質と施工性の向上を目指して

 建築物の耐震性向上や大規模化に伴い、従来のスランプ管理のコンクリートでは充填が困難になるケースが増加している。 
 2019年3月に改正されたJIS A 5308「レディーミクストコンクリート」においては、呼び強度45以下の普通強度領域において、スランプフロー45,50,55,60cmが追加され、さらに同年5月には主要構造部に使用する建築材料に関する告示(平成十二年建設省告示第1446号)も改正された。 
 そこで流動性の高いコンクリートの利用促進によるコンクリート工事における生産性向上、不具合低減,高品質化を図ることを目的とし、「建築分野における高流動性コンクリートの普及に関する研究会」を発足した。

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スランプ管理のコンクリートに比べて生産性が23%向上

活動概要

 本研究会では,20社が参加し、4つのワーキンググループ(以下,WG)で活動を行った。
 対象は、呼び強度45以下の普通強度領域においてスランプフローで管理を行うコンクリートであり、活動期間は2017年度から2019年度の3年間である。 2017年度においては、物性評価WGが試し練りを通じて高流動性コンクリートの材料分離抵抗性に関するデータを収集した。 2018年度においては、施工性WGによる実大施工実験を実施し、さらに利用WGによる施工者および設計者を対象にした高流動性コンクリートに関するアンケートを行った。 2019年度においては、本研究会の成果物として「現場添加型高流動性コンクリートの製造・品質管理要領書」及び「高流動性コンクリートの利用ガイドライン」をとりまとめた。

高流動性コンクリート研究会参加会社 (五十音順)

淺沼組/安藤・間/大林組/奥村組/鹿島建設/熊谷組/五洋建設/佐藤工業/清水建設/大成建設/竹中工務店
鉄建建設/東急建設/戸田建設/飛島建設/西松建設/長谷工コーポレーション/フジタ/前田建設工業/三井住友建設

ワーキンググループの活動内容

WG 活動内容
物性評価WG 高流動性コンクリートの物性(フレッシュ性状,硬化性状,耐久性など)およびフレッシュ時の材料分離抵抗性の評価方法を検討する。
施工性WG 高流動性コンクリートの施工性を検証し,適用範囲を明確にする。あわせて生産性向上,不具合低減,高品質化による効果を検証する。
利用WG 施工者,設計者,コンクリート製造者,へのアンケートを通じて,高流動性コンクリートに対する要求性能(品質)を明確にする。また,上記WGの成果を元に「高流動性コンクリートの利用ガイドライン」を作成する。
現場添加型WG 流動化による高流動性コンクリートの製造実績のある委員により,「現場添加型高流動性コンクリートの製造・品質管理要領書」を作成する。

本研究会の成果物

「高流動性コンクリートの利用ガイドライン」要約版
「現場添加型高流動性コンクリートの製造・品質管理要領書」要約版
発表論文タイトル一覧

※高流動性コンクリートについて
日本建築学会「高流動コンクリートの材料・調合・製造・施工指針(案)・同解説」においては,高流動コンクリートの目標スランプフローを55,60,65cmとしているのに対し、本研究ではこの区分に含まれないスランプフロー45cmおよび50cmも対象にしているため、便宜上の名称として使用した。 なお,本研究会を終えるにあたって、高流動性コンクリートを、「高い流動性と材料分離抵抗性をあわせ持ち、品質と施工性の両方を向上させるコンクリート」と定義したい。 このような高い流動性と材料分離抵抗性をあわせ持つコンクリートの普及により、建築物の品質と施工性の向上を目指していきたいと考える。

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